PMBOK®の重要ステップ 監視・コントロールプロセス群
BizLearnでは、eラーニング「実践的プロジェクトマネジメント再入門」を提供しています。 プロジェクトマネジメントの知識を体系的にまとめたPMBOK®では、計画、監視・コントロールプロセス群に特に主軸をおいた仕組みになっています。監視・コントロールプロセス群とは、実行プロセスが計画通りに進んでいるのかを確認し、もし相違があれば変更を行うものです。本稿では、監視・コントロールとは何か、監視/コントロールの代表的なプロセスに関してご紹介します。ぜひご参考にしてください。
監視・コントロールプロセス群とは?
監視・コントロールプロセス群は、「プロジェクトの進捗やパフォーマンスを追跡し、レビューし、統制し、計画の変更が必要な分野を特定し、それらの変更を開始するプロセス」です。つまり、プロジェクトの実行フェーズと計画書を比較し、リスクや問題点を事前に発見し対処するための活動です。
プロジェクトは計画をどれだけ綿密に作成したとしても、計画通りに進むものではありません。そのため、実行プロセスを理解し、監視し、なにか問題が合った場合には、計画のズレを修正するために計画を変更したり、コントロールしたりすることが重要です。
プロジェクトは計画をどれだけ綿密に作成したとしても、計画通りに進むものではありません。そのため、実行プロセスを理解し、監視し、なにか問題が合った場合には、計画のズレを修正するために計画を変更したり、コントロールしたりすることが重要です。
監視・コントロールプロセス
監視・コントロールプロセス群には、PMBOK®ガイドに規定されている49プロセスのうち、12のプロセスが設定されています。
- プロジェクト作業の監視/コントロール
- 統合変更管理
- スコープの妥当性確認
- スコープのコントロール
- スケジュールのコントロール
- コストのコントロール
- 品質のコントロール
- 資源のコントロール
- コミュニケーションの監視
- リスクの監視
- 調達のコントロール
- ステークホルダー・エンゲージメントの監視
統合変更管理
統合変更管理プロセスは、「すべての変更要求をレビューし、変更を承認して、成果物、組織のプロセス資産、プロジェクト文書、プロジェクトマネジメント計画書などへの変更をマネジメントし、決定事項を伝達するプロセス」です。上述したように、プロジェクトはなかなか計画通りに進みません。また、実行のたびに承認なく変更が行われていては、マネジメントもできません。そのため、PMBOK®でも統合変更管理は10の知識エリアに影響する重要なプロセスと規定されています。
変更管理の仕組みづくり
プロジェクトマネジメントにおいて、変更は欠かせないため事前に変更するための仕組みづくりを作成する事が重要です。このような仕組みを作成する理由は、変更が必要な場合に必ず正式なプロセスを経て行うことで、変更内容を直ちに関係者に周知でき、マネジメントができるからです。
仕組みにおいて設定すべき内容は下記があります。
仕組みにおいて設定すべき内容は下記があります。
- 誰が、いつ変更を提案することが出来るのか?
- 誰が提案された変更をレビューし、承認を得るのか?
- 誰が、レビューに必要な情報(スコープ、QCDなど)を提供するのか?
- 承認された変更はどのように計画に反映され、チームに周知されるのか?
スケジュールのコントロール
スケジュールのコントロール ・プロセスは、「プロジェクトの進捗を更新するためにプロジェクトの状況を監視し、計画を達成するためにスケジュール・ベースラインに対する変更をマネジメントするプロセス」です。スケジュール変更は、スコープやコスト・マネジメントと同じく、統合変更管理の一部で行われます。
スケジュールのコントロールは、大きく4つのステップにわかれます。
スケジュールのコントロールは、大きく4つのステップにわかれます。
現状の分析
まず、現状の把握を行います。現状の把握では計画されたスケジュールに対して、現状どの程度進捗しているのかを確認します。この際、進捗具合をしっかり定量化することがポイントになります。例えば、WBSなどでスケジュール管理をしている場合、大まかの管理の場合ほとんどが作業中となってしまう場合があります。しかし、作業の中には手を付けたばかりのものからほとんど終りに近いものからあります。このようなものをすべて実情に合わせた状況で把握するために、作業状況を定量的に把握しましょう。ルールの例として、着手前0%、着手後50%、完了100%という方法などがあります。
スケジュールの変更要因の働きかけ
現状の分析ができ、計画との差異を把握できたら計画通りにスケジュールを進めるための働きかけを検討します。例えば、今そんなに差異が大きくないのであれば今後差異がこれ以上大きくならないための予防的な処置がどのようなものがあるのかなどを検討します。すでに、差異が大きいのならば計画通りにスケジュールを戻すための是正処置を検討します。
スケジュールの変更の確認
処置が検討出来たら、変更管理の仕組みにそってスケジュール変更を要求し、確認し、承認をします。この際、現状の分析や変更内容、変更案などを明記し文書化しましょう。
実施した変更のマネジメント
変更が確認、承認されたら計画書を更新し、スケジュールを更新します。この際、しっかりチーム内に周知させ、文書として更新履歴を残しておくことがマネジメントする上で重要です。
リスクの監視
リスクの監視 ・プロセスは、「プロジェクト全期間にわたりリスク対応の計画を実施し、特定したリスクを追跡し、残存リスクを監視し、新しいリスクを特定し、さらにリスク・プロセスの有効性評価などを行うプロセス」です。
計画プロセスの際に作成したリスク登記簿を管理し、残っているリスクがどのようなものがあるのか、発生のタイミングで求められる対応がどのようなものか、計画の変更に伴い新たに起きうるリスクがどのようなものがあるのかなどを監視します。リスク監視では、常に計画の変更や実行の状況に合わせて定期的に監視を行い、見直しすることが求められます。
計画プロセスの際に作成したリスク登記簿を管理し、残っているリスクがどのようなものがあるのか、発生のタイミングで求められる対応がどのようなものか、計画の変更に伴い新たに起きうるリスクがどのようなものがあるのかなどを監視します。リスク監視では、常に計画の変更や実行の状況に合わせて定期的に監視を行い、見直しすることが求められます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。プロジェクトマネジメントでは、監視/コントロールは重要なプロセスの一つです。プロジェクトは計画通りに進むものではなりません。そのため、常に実行の現状を把握し、計画通りに進むように調整する必要があります。また、変更のルールを作成することはマネジメントを進めていく上でも重要です。
BizLearnでは、eラーニング「実践的プロジェクトマネジメント再入門」にて、実際のプロジェクトマネジメントの基礎から改めて学びなおせます。ぜひ受講してみてください。
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