【新制度対応】基本情報技術者試験の難易度はどのくらい?勉強方法や受験層も解説

日本の国家資格の一つである情報処理技術者試験。その中でも、IT人材に必要とされる情報処理の基本的な知識・機能・活用能力を試されるのが基本情報技術者試験です。令和4年度春期の試験では受験者数4.5万人を超え、とても人気のある資格試験です。
今回の記事では、基本情報技術者試験の具体的な難易度について解説します。
2023年からの新制度の詳細や合格に向けた勉強方法なども解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
知っていますか?
合格が近づく科目A免除制度
あなたは科目A免除制度について、ご存じでしょうか?
基本情報技術者試験の合格率は基本的に20%~30%の合格率で遷移しています。半分以上が落ちてしまうことから、難易度の高さが伺えるのではないでしょうか。そこで、少しでも合格率を高めるために活用したいのが「科目A免除制度」です。
基本情報技術者試験に合格する為には、知識を問う科目A試験、技能を問う科目B試験の2つの試験に合格する必要があります。科目A免除制度とは、IPAに認定されたeラーニング講座などを事前に受講し、科目A免除修了試験に合格すると、本試験の科目A試験が1年間免除されるという制度です。事前に科目A試験の免除の権利を手に入れておけば、科目B試験に集中することができるので、合格がぐっと近づくこと間違いなしです!
基本情報技術者とは
ITエンジニアの登竜門ともいわれる資格で、取得によりITエンジニアとして基本的な知識やスキルにくわえ、論理的思考力やマネジメントの知識を持っていることを証明できます。
また2023年(令和5年)4月からは、各企業におけるDXの推進や日本におけるIT人材が不足している影響から「デジタル人材の登竜門」という位置づけに変わります。
デジタル人材とは、ITエンジニアだけではなくDXを推進する人や携わる人を指し、あらゆる企業でITに関わる人へ向けた資格へと変わっていくと考えられます。
2022年春季における応募者数が5万人を超えており、もとより大変人気のある資格ですが、今後ますます需要の高まる資格のひとつといえるでしょう。
基本情報技術者試験の受験者層
受験者のうち約3割は学生です。情報技術系の専門学校で在学中に資格取得を推奨され、基本情報技術者試験に挑み合格することで、特にIT系企業への就職に役に立てているのもその一因でしょう。また、上位の試験である応用技術者試験では学生の割合は1割程度ですので、基本情報技術者試験は比較的学生の比率が高いといえます。情報技術者の基本となるべき試験、資格というレベル感も影響していると思われます。
残りの7割の受験者が社会人です。社会人受験者のうち、約半数がIT系の業種または業務についていると回答しており、IT系の業種、業務では基本情報技術者試験の資格が重要視されていることがわかります。新入社員が内定者研修期間中に学び、入社後に受験することや、昇級の条件としても利用されていることも、受験者数が多いことの一つの理由となっています。
基本情報技術者試験の合格率・受験者数の推移
追記:新型コロナウィルスの影響により、令和2年度・令和3年度の受験者数は10万人を下回っています。
一方で、その合格率は累計で25.4%です。平成23年度のみ31.8%とやや高めですが、それ以外の年度では22%~27%の間を上下しながら推移しています。他の試験に比べると、開催回によって難易度のばらつきが大きく、高い合格率の次の年には合格率が下がるなどの傾向もみられます。情報技術は日々進化しているため、試験の対象範囲が増え続けているのですが、それも込みで合格率25%前後の難易度にコントロールされていると考えられます。
追記:令和2年10月・令和3年度・令和4年春では、合格率が40%以上となり合格率が急上昇しています。しかし、上昇化した理由は、以下の通りで試験の難易度とは異なる要因が考えられるため、令和2年10月・令和3年度・令和4年春の合格率は例外として捉えたほうが良いでしょう。
- 令和2年春・秋試験が延期となり、試験への準備期間が長くなったため
- CBT方式を導入後、一時的にA試験(旧午前試験)・B試験(旧午後試験)が別日で受験可能になったため

基本情報技術者試験(春期・秋期) | ||||
受験者数(人) | 合格者数 (人) | 合格率 (%) | ||
平成21年度 | 144,373 | 45,955 | 31.8 | |
平成22年度 | 138,649 | 31,618 | 22.8 | |
平成23年度 | 118,498 | 30,148 | 25.4 | |
平成24年度 | 111,487 | 28,424 | 25.5 | |
平成25年度 | 101,842 | 22,948 | 22.5 | |
平成26年度 | 100,879 | 23,953 | 23.7 | |
平成27年度 | 101,221 | 26,109 | 25.8 | |
平成28年度 | 99,999 | 26,591 | 26.6 | |
平成29年度 | 105,252 | 23,288 | 22.1 | |
平成30年度 | 111,381 | 28,552 | 25.6 | |
令和元年度 | 121,556 | 31,224 | 25.7 | |
令和2年度10月 | 52,993 | 25,499 | 48.1 | |
令和3年度 | 85,428 | 34,734 | 40.4 | |
令和4年春 | 46,072 | 18,235 | 39.6 |

基本情報技術者試験は社会人より学生の合格率が高い?

社会人 | 学生 | |||||
受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) | |
令和元年度 | 82,630 | 20,675 | 25.0 | 38,926 | 10,549 | 27.1 |
平成30年度 | 74,771 | 18,317 | 24.5 | 36,610 | 10,235 | 28.0 |
平成29年度 | 68,719 | 14,434 | 21.0 | 36,533 | 8,854 | 24.2 |
平成28年度 | 65,263 | 16,803 | 25.7 | 34,736 | 9,788 | 28.2 |
平成27年度 | 64,619 | 16,499 | 25.9 | 36,602 | 9,610 | 26.3 |
平成26年度 | 62,294 | 14,620 | 23.5 | 38,585 | 9,333 | 24.2 |
平成25年度 | 61,839 | 13,254 | 21.4 | 40,003 | 9,694 | 24.2 |
平成24年度 | 48,321 | 12,586 | 26.0 | 42,647 | 10,682 | 25.0 |
平成23年度 | 77,078 | 18,858 | 24.5 | 41,420 | 11,290 | 27.3 |
平成22年度 | 93,393 | 20,659 | 22.1 | 45,256 | 10,959 | 24.2 |
平成21年度 | 101,145 | 33,517 | 33.1 | 43,228 | 12,438 | 28.8 |

基本情報技術者試験の難易度
基本情報技術者試験はA試験(旧午前試験)・B試験(旧午後試験)の二部で構成され、いずれも1000点満点中の600点以上が合格基準です。A試験(旧午前試験)はITパスポートに合格できるだけの知識があれば、対策はそれほど難しくはありません。B試験(旧午後試験)は応用的・発展的な問題となるため、難易度はやや高くなります。
試験範囲としては、情報処理全般を対象としており、普段から情報処理に業務で触れている場合や、情報系の勉強をしている場合はその知識を活かすことができます。ただし、マネジメント系、ストラテジ系といったカテゴリに関しては、より上位のITエンジニア以外には直接的に触れる機会が少ないため、注意して勉強をしておく必要があります。
基本情報技術者試験はなぜ難易度が高いのか
理由としては出題範囲が広く、もれなく学習するための時間を確保することが難しい点が挙げられます。特に仕事や育児など時間が作りにくい方にとってはかなりハードルの高い資格となります。
また、基本情報技術者試験の学習によって得られる知識だけでは、ITエンジニアとして活躍するイメージが湧きにくく、モチベーションを維持しにくい点も難易度が高い理由といえるでしょう。
未経験者にとってハードルが高い
そのため、初学者は基本的な用語の意味といった基本的な部分から学ぶ必要があるため、未経験者にとってはハードルの高い資格となっています。
情報の学習したことがある人も難しいと感じることがある
経験者にとって馴染みのある問題もでますが「マネジメント系」や「ストラテジ系」といったベテランのエンジニアでないと関わることの少ない知識も問われるためです。
そのため、経験者であっても合格するためには事前の学習は必要なため、注意が必要です。
基本情報技術者試験に必要な勉強時間
※詳細には個人ごと必要な学習時間は異なるため、あくまで目安としてお考え下さい。
これまでに情報系の知識がない
これまでに情報系の知識がある
合格までの勉強を効率化して、短い勉強時間で合格を目指すには
未経験から挑む基本情報技術者試験。必要な勉強時間はどれくらい?
基本情報技術者試験は改訂が行われています
令和2年に行われた改訂
- 午後試験のソフトウェア開発問題においてCOBOLが廃止され、Pythonが選択可になった
- 午後試験における問2~7の出題テーマが変更
- 配点の変更
- 解答
午後問題の内容の微修正と出題数に変更有り
しかし、2023年(令和5年)の試験からは再度変更が入りました。午後試験における大問(長文問題)が廃止され、すべて小問での出題となり問題数も20問と大きく増加しています。
CBT方式が導入
令和5年に行われる改訂
- 試験時間は150分から100分へ
- 出題形式は大問(11問から5問選択)から小問(20問※全問解答必須)へ
- 出題分野が「アルゴリズムとプログラミング」と「情報セキュリティ」の2分野を中心とした構成へ
- プログラミング言語は擬似言語へ統一
- 採点がIRT方式へ
徹底解説!基本情報技術者試験2023年制度変更点まとめ
勉強方法
基本情報技術者試験に合格する勉強法を紹介。初心者の独学についても解説
科目A試験免除試験についてご存じでしょうか
修了試験の合格によって、以降1年間はA試験(旧午前試験)をパスしてB試験(旧午後試験)のみで受験が可能になります。
合格後1年間はB試験(旧午後試験)のみに焦点をあて学習ができるため、合格の可能性を大きく引き上げられます。
比較される主な情報系の資格の内容
ITパスポート試験
基本情報技術者試験とITパスポートの難易度比較
出題される内容に関しても、基本情報技術者試験がエンジニア向けの内容であるのに対し、ITパスポートはITを利用する人向けの内容となっています。
そのため、基本情報技術者試験はITパスポート試験より難易度は高いといえるでしょう。
以下の記事で、より詳しく難易度を比較しておりますので、ご参照ください。
基本情報技術者試験とITパスポート試験の違いとは。どちらを取得すれば良いのか。
情報セキュリティマネジメント試験
基本情報技術者試験の資格取得のメリット
ITに関する基礎知識や技術を学ぶことができる
また、基本情報技術者試験に合格していれば、IT技術者として最低限のスキルは持っていると判断できます。IT関連の仕事に就く場合には、入社前に基本情報技術者試験を取得していれば、入社後の業務が円滑になるでしょう。
さらに、ビジネススキルの取得という観点でも有用な資格です。経営やマネジメントに関する知識も学べるので、他部署とのつながりなど含め、すでにIT関連の仕事をしている人にとっても、体系的に基礎的な情報技術を学びなおす意義のある資格となっています。IT関連の業務に従事し、本資格未取得の場合には、受験して損のないおすすめできる資格です。
企業によっては資格手当が出ることもある
就職や転職にも活かしやすい
また、ITエンジニアにとってはスキルアップや収入アップ、キャリアのために転職を行うことは一般的です。さらに、労働人口の減少と業務へのIT導入の加速が影響し、IT技術者の求人が増え続けており、ITエンジニアの転職市場の活況に拍車をかけています。この転職においても、基本情報技術者試験は客観的に保持者のスキルを保証してくれる資格となるため、保持していて不利になることはあり得ません。
試験形式
実施期間 | 通年 |
---|---|
試験内容 | ・科目A試験(旧午前試験):90分 ・科目B試験(旧午後試験):100分 |
出題数 | ・科目A試験(旧午前試験):60問 ・科目B試験(旧午後試験):20問 ※全問回答必須 |
合格基準 | 1000点中600点以上で合格 |
試験方式 | CBT方式 |
採点方式 | IRT方式 |
試験はCBT方式と呼ばれるコンピューターを使って解答する方式が採用されており、1000点中600点以上の取得で合格となります。採点方法はIRT方式という受験者の正答率によって配点が調整される方式で、問題ごとに点数が決められていません。
受験資格について
国籍、学歴、年齢を問わず誰でも受験可能です。
基本情報技術者試験合格者の職種について
システムエンジニア
システムエンジニアは、ITに関する幅広い知識が求められるため、基本情報技術者試験で身につけた広範囲にわたる基礎的な内容は大いに役立ちます。
また、システムエンジニアは、基本情報技術者試験を取得後、上位資格である応用情報技術者を取得するケースも多いです。
プログラマー
基本情報技術者試験で身につけた、アルゴリズムやデータ構造の知識を活用することが可能です。
まとめ
しかしながら、初学者や文系の人にとって、一から情報技術について一人で学んでいくことは、難易度が高く、険しい道のりです。そんな学習をサポートする方法としてオススメなのがeラーニングの活用です。場所と時間の制約なく勉強ができることも含め、他の学習方法と比べて大きなメリットがありますが、一番のメリットは一部のeラーニングはIPAの認定を受けており、受講することで科目A試験免除制度を活用することができることです。科目A試験免除制度を活用することができれば、A試験(旧午前試験)を1年間免除することができ、難易度の高いB試験(旧午後問題)に集中することができます。特に初学者や文系の方は、合格への負荷を減らせる方法として活用すべき制度です。
また、「オンラインライブ講義×eラーニング ×徹底サポート」により最短4ヵ月で合格を目指せる「基本情報技術者試験対策オンラインスクール」も用意しています。カウンセリングなどのサポートを通じて、スタッフと一緒に合格を目指すしましょう。
知っていますか?
合格が近づく科目A免除制度
あなたは科目A免除制度について、ご存じでしょうか?
基本情報技術者試験の合格率は基本的に20%~30%の合格率で遷移しています。半分以上が落ちてしまうことから、難易度の高さが伺えるのではないでしょうか。そこで、少しでも合格率を高めるために活用したいのが「科目A免除制度」です。
基本情報技術者試験に合格する為には、知識を問う科目A試験、技能を問う科目B試験の2つの試験に合格する必要があります。科目A免除制度とは、IPAに認定されたeラーニング講座などを事前に受講し、科目A免除修了試験に合格すると、本試験の科目A試験が1年間免除されるという制度です。事前に科目A試験の免除の権利を手に入れておけば、科目B試験に集中することができるので、合格がぐっと近づくこと間違いなしです!

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<具体的ご相談例>
- 基本情報技術者試験の勉強スケジュールについて悩んでいる
- 科目A免除制度を活用すべきか悩んでいる
- どのような講座を受けたらいいか迷っている