プロジェクトの完了 終結プロセス群とは?|PMBOK®
BizLearnでは、eラーニング「実践的プロジェクトマネジメント再入門」を提供しています。 終結プロセス群とは、PMBOK®が提供するプロジェクトマネジメントの5つのプロセスの中の最後のプロセス群です。終結プロセスは、プロセスのすべてのアクティビティが完了していることを検証するプロセスです。本稿では、終結プロセスとは何か、終結プロセスのポイントなどをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
終結のプロセス群とは?
終結プロセス群は、「プロジェクトやフェーズの終結」プロセスのみから構成されます。プロセスの終結とは、プロジェクトで進めていたアクティビティすべてが完了していることを検証するものです。プロジェクトの完了には2パターンあります。一つは成果物が完成しプロジェクトが完了した場合です。もう一つは、プロジェクトが途中で中止になった場合です。 どちらの場合でも、プロジェクト文書を整理し、保管することが重要です。それは、プロジェクトの終結の確認と、プロジェクトで活用するプロセス資産や教訓を残すためです。特に、途中で中止になってしまった場合、プロジェクトの資産などが残らなく、教訓にならないことがあります。このようなことを避けるためにも、しっかりプロセス資産を整理し、中止にいたった経緯や引き継ぎ事項の整理をしましょう。
プロジェクトやフェーズの終結
プロジェクトやフェーズの終結プロセスは、「プロジェクト、フェーズ、または契約上のすべての活動を完結する」プロセスです。終結させるメリットは、プロジェクト作業を公式に終結させることで、新たな活動に着手するために教訓を提供すること、そして組織資源の解放を行うことです。具体的なプロセスとしては下記のようなものがあります。
プロジェクトの公式の受入
プロジェクト開始時点の要求やスコープ、変更内容との最終的な納品物との相違がないことを確認します。ステークホルダー・クライアントに内容を確認してもらい、検収をしてもらうことでプロジェクトのゴールの受入をします。同時にスコープの妥当性確認も完了している必要があります。最終的にプロジェクトスポンサーがプロジェクトを終了させ、クライアントへの請求作業も行います。
プロジェクトの失敗成功を判断
最初に必要なのは、プロジェクトが成功か失敗かを判断することです。計画書やプロジェクトのフェーズの記録、成果物を監査することで、プロジェクトが成功したのか、失敗したのかを判断します。
プロジェクト文書の完成
プロジェクト最終報告のサマライズレポートを作成します。レポートには、プロジェクトの最終的な結果とともに、個人やチームの貢献やプロジェクトの状況などを記載します。また、プロジェクトの文書(計画書、変更ログなど)を保存するものを明確にし、保存すべき場所に保存しましょう。
プロジェクトの教訓の収集
プロジェクトから得られた教訓をまとめ、次回以降のプロジェクトのための教訓としてまとめましょう。教訓としてまとめるべき内容は、例えばうまくいったこと、改善や変更すべきだったこと、プロジェクト参加者からの意見などです。 教訓を得る方法は、大きく2つの方法があります。まず1点目は、スケジュールの計画と実績や、リソースの計画と実績のプロジェクトの文書を分析することです。どれくらい計画通りにいったのか、計画通りに進まずに変更が必要だったのはなぜだったのかなどを把握することにより、教訓を得ることが出来ます。2点目は、プロジェクトの参加者とのレビューミーティングを行うことです。この際、出来る限り多くの人から意見を引き出すことが重要です。また、個人的な攻撃に走ったりしないようにするなど促す必要があります。その際重要なのは、ファシリテーションスキルです。
プロジェクトの終結のアウトプット
プロジェクト終結のアウトプットとしては、下記があります。
・プロジェクト文書更新版
すべての文書を更新し、最終盤を保存します。
すべての文書を更新し、最終盤を保存します。
・最終プロダクト、サービス、所産の移管
プロジェクトの最終のプロダクト、サービス、所産を公式に受入れ、引渡しを行う。
プロジェクトの最終のプロダクト、サービス、所産を公式に受入れ、引渡しを行う。
・最終報告書
プロジェクトの成果物やパフォーマンスの概要などをまとめます。
プロジェクトの成果物やパフォーマンスの概要などをまとめます。
・組織のプロセス資産更新版
プロジェクト・ファイル、プロジェクトやフェーズの終了文書、過去の情報等を整理・保管する。
プロジェクト・ファイル、プロジェクトやフェーズの終了文書、過去の情報等を整理・保管する。
まとめ
終結プロセスは、プロジェクトを完了させるための重要なフェーズです。しかし、よくあるミスとしては、プロジェクトの成果物を作成することで終わってしまいその後の振り返りなどがないままに終わってしまうことです。その結果、次のプロジェクトへの教訓の共有や何かが発生したときに資料を振り返ろうとしても何も残っていないということが起きます。このようなことを避けるためにもしっかり終結プロセスにのっとってプロジェクトを完了させることを意識しましょう。BizLearnでは、eラーニング「実践的プロジェクトマネジメント再入門」を提供し、プロジェクトマネジメントの基礎から学べます。ぜひ受講を検討してみてください。