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プロジェクトマネジメントの知識がまとめられたPMBOK®(ピンボック)とは?

PMP®資格取得を目指して調べられている方も、一度は「PMBOK®(ピンボック)」という名称を見聞きしたことがあるかと思います。しかし、PMBOK®(ピンボック)とは何なのか具体的にわからない方も多いのではないでしょうか?本稿では、PMBOK®(ピンボック)とは何かについての概要をご紹介します。
PMBOK®(ピンボック)とは
PMBOK®とは、Project Management Body of Knowledgeの略で、アメリカのPMIが発行したプロジェクトマネジメントに関しての手法、ナレッジ、事例をまとめたものです。PMBOK®をまとめたものが、PMBOK®ガイドであり、1987年に初めて公表されました。それ以来、4年毎に改訂されており、2025年現在最新は第7版です。発行以来プロジェクトマネジメントのスタンダードとして、国際的に広まり、今では世界基準として注目されています。
PMP®資格は、PMBOK®(ピンボック)に基づいてプロジェクトマネジメントの知識、経験などをはかるため、PMP®資格勉強には欠かせないものです。PMI日本支部より日本語版の発行もされています。
PMP®資格は、PMBOK®(ピンボック)に基づいてプロジェクトマネジメントの知識、経験などをはかるため、PMP®資格勉強には欠かせないものです。PMI日本支部より日本語版の発行もされています。
PMBOK®の目的
プロジェクトマネジメントの知識を体系化してまとめたPMBOKの最新版であり、第6版まではプロセスベースだった指向が、第7版では原理・原則ベースの標準に変わりました。プロジェクトを取り巻く環境や条件が常に変化していく中で、これらの変化や対応などの価値観に適用することが求められています。
PMBOK®の知識体系とプロセス
上述のようにPMBOK®(ピンボック)では、プロセスに着目したプロジェクトマネジメントノウハウを体系化しています。
PMBOK®(ピンボック)では、12の原則、8つのパフォーマンス領域を規定しています。
PMBOK®(ピンボック)では、12の原則、8つのパフォーマンス領域を規定しています。
12の原則
PMBOK®(ピンボック)は、行動指針として12の原則を掲げています。
1.スチュワード
内外のガイドラインを遵守しつつ、誠実さ、他社の面倒、信頼を伴った活動を実行します。そして、自らが支えるプロジェクトの財務上、社会的、そして環境面での影響への幅広いコミットメントを行動で示します。2.チーム
多様なスキルや知識、経験を行使する個人から構成されます。共同して作業するプロジェクト・チームは個人で作業する場合に比べ、共通の目標をより効果的かつ効率的に達成できます。3.ステークホルダー
ステークホルダーに積極的に、かつプロジェクトの成功と顧客満足に貢献するために必要な程度に関与してもらいます。4.価値
事業目標、および意図したベネフィットや価値へのプロジェクトの整合性を継続的に評価し調整します。5.システム思考
システム思考では、プロジェクト内・周辺のダイナミックな状況に全体論的な方法で認識・評価・対応し、プロジェクト・パフォーマンスに前向きな影響を与えます。
6.リーダーシップ
リーダの在り方としては、リーダーシップを発揮し、個人とチームのニーズをサポートすることに適応します。
7.テーラリング
「過不足ない」プロセスを使用して、プロジェクト、プロジェクト目標、ステークホルダー、ガバナンス、環境というコンテキストに基づき、プロジェクト開発アプローチを設計します。価値を最大限に高め、コストをマネジメントし、スピードを速めながら望ましい成果を達成します。
8.品質
品質を担保することでプロジェクトの目標を満たし、ニーズ、使い方、および関連ステークホルダーが設定した受入要求事項に合致した成果物を生み出します。
9.複雑さ
複雑さは、人の振る舞い、システムの振る舞い、不確かさ、および曖昧さの結果です。
10.リスク
プロジェクトへのプラスの影響を最大限に高め、マイナスの影響を最小限に抑えるため、好機と驚異の両方のリスク・エクスポージャーを継続的に評価することです。
11.適応力と回復力
組織、およびプロジェクト・チームが適応力と回復力を備えることは、プロジェクトが変化に適応し、挫折から回復し、プロジェクト作業を推進する上で役立ちます。
12.チェンジ
影響を受ける人々に対し、新たに従来と異なる振る舞いやプロセスの採用・維持ができるようにします。
8つのパフォーマンス領域
PMBOK®(ピンボック)では、8つのパフォーマンス領域が定義されています。
1.ステークホルダー
テークホルダーに関連した活動と機能に対処します。この領域を効果的に実行することにより、ステークホルダーとの生産的な関係や合意などの望ましい成果が得られます。
2.チーム
多様な個人を集めて高いパフォーマンスのプロジェクトチームに発展させるための文化と環境を確立します。3.開発アプローチとライフサイクル
開発アプローチ、ケイデンス、ライフサイクル・フェーズに関する活動と機能に対処します。4.計画
プロジェクト期間を通じてプロジェクト作業を体系化し、詳細化し、調整します。この領域は、初期、継続中、進化中の組織に関連した活動と機能に対処します。およびプロジェクトの成果物と成果を提供するために必要となる調整に対応します。5.プロジェクト作業
プロジェクト・プロセスの確立、物的資源のマネジメント、学習環境の強化に関する活動と機能を扱います。6.デリバリー
プロジェクトが目指すスコープと品質の提供に関連する活動と機能を扱います。7.測定
プロジェクトのパフォーマンスを評価し、受け入れ可能なパフォーマンスを維持するための適切な行動をとることに関連する活動と機能に対応します。8.不確かさ
この領域を効率的に実行することで、プロジェクトが行われる環境の適切な認識、不確かさを積極的に調査し、対応するなどの成果が得られます。