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PMBOK®10の知識エリアに定められるステークホルダー・マネジメントとは?

PMBOK®10の知識エリアに定められるステークホルダー・マネジメントとは?
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プロジェクトは進めていく上でステークホルダーと協力が重要です。しかし、実際に、ステークホルダーの特定やマネジメントするにしても、何をすればいいのかとよくわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。PMBOK®ではステークホルダー・マネジメントは10の知識エリアとして分類されています。本稿では、ステークホルダー・マネジメントの概要、進め方についてご紹介します。是非ご参考にしてください。

ステークホルダー・マネジメントとは?

ステークホルダー・マネジメントとは、プロジェクトに影響を与えたりプロジェクトによって影響を受けたりする可能性があるステークホルダーを特定し、期待やプロジェクトへの影響力を分析し、プロジェクトの意思決定や実行においてステークホルダーから効果的な関与を得るようにマネジメントすることです。
ステークホルダーとは、個人、組織やクライアントなどに限らず、プロジェクトに関与するものの総称です。プロジェクトにより、ステークホルダーはプラスやマイナスの影響を受けます。そのため、どのような影響があるかを分析し、プラスを最大化し、マイナスを最小化するように管理します。

ステークホルダー・マネジメントのタスク

具体的にステークホルダー・マネジメントのタスクをご紹介します。ステークホルダー・マネジメントは立ち上げから監視・コントロールプロセスまであります。下記それぞれのタスクをご紹介します。

【立ち上げ】ステークホルダーの特定

立ち上げ期に行うのが、ステークホルダーの特定です。プロジェクトに影響や関与する可能性がある個人・組織を特定し、どの程度影響があるのかを文書化します。ステークホルダーは立ち位置や役割により、プラスの影響を与えるものもあれば、作業にマイナスの影響を与える場合もあります。プロジェクトの成功のためには、どのようなステークホルダーがいるのか、それぞれの期待やニーズが何なのか、プロジェクトにどれくらい影響を与えるのかを認識することが重要です。
ステークホルダーの特定には、ステークホルダー分析の手法を用いるのが一般的です。関心の高さ、権限の強さなどでマトリックスに分析することにより、ステークホルダーが監視対象なのか、すぐに対応すべきなのかなどを整理します。このように整理することでそれぞれのステークホルダーにどのように対応すればいいのかの優先順位が整理できます。
また、グループ分けした上で関係者の所在、行動パターン、キーパ−ソンの特定などの分析も合わせて行い、プロジェクト進行に伴う準備を整えます。ここでの分析はステークホルダー登記簿に明記され、コミュニケーション・マネジメント計画やスコープの要求事項収集、資源マネジメント計画などに活用されます。

【計画】ステークホルダー・エンゲージメント計画

ステークホルダー・エンゲージメント計画では、ステークホルダーにどのようにプロジェクトに関与してもらうのかのマネジメント計画を立てます。ステークホルダー・エンゲージメント計画書では、ステークホルダーのプロジェクトに対しての関与度、ステークホルダーとのコミュニケーション頻度、ステークホルダーの相互関係などを整理します。
計画フェーズ以降も組織構造に変化があったときやステークホルダーの役割が変わったときなどに随時更新します。
ここで活用するツールは、ステークホルダー関与度評価マトリックスです。ステークホルダーの現在の関与度、期待のか関与度をマトリックスで整理したものです。プロジェクトの関与度は以下で表現されます。
1.不認識:プロジェクトと潜在的意識を認識していない
2.抵抗:プロジェクトと潜在的意識を認識しているが、支持していない
3.中立:認識しているが、支持でも不支持でもない
4.支持:プロジェクトと潜在的影響を認識しており、変化を支持している
5.指導:プロジェクトと潜在的意識を認識しており、プロジェクトの成功のために積極的に関与している
これらの関与度を整理してマトリックスを使って文書化します。このように整理した内容で、最終的にはステークホルダー・エンゲージメント計画書を作成します。

【実行】ステークホルダー・エンゲージメントマネジメント

ステークホルダー・エンゲージメント・マネジメントでは、計画に沿ってプロジェクトの進行に従いステークホルダーとコミュニケーションを取り、ステークホルダーの関与を強化します。プロジェクトマネージャーの大きな役目の一つはステークホルダーと適切な関係を築くことです。計画で整理した内容に沿って、ステークホルダーを適切なタイミングでプロジェクトに関与させたり、期待をマネジメントすることなどが求められます。ステークホルダーは正規の意思決定者ではないが、キーパーソンの場合が多いです。そのような方を味方にするには通常の会議だけでは難しいです。非公式な会話や臨時ミーティング、Eメールなど様々な手段を必要に応じて用いましょう。

【監視・コントロール】ステークホルダー・エンゲージメント・コントロール

監視・コントロールの段階では、ステークホルダーとの関係を監視し、ステークホルダーとの関与の戦略を調整します。プロジェクトが進むことにより、ステークホルダーとの関係は随時変わっていきます。常にステークホルダーとの関係を監視し、例えばステークホルダーとの関係の課題を見つけ出し、その原因を探り対応策を検討します。

まとめ

ステークホルダーはプロジェクトの成功に欠かせない存在です。そのステークホルダーとどのようにコミュニケーションを取り、どのように関係性を築くのかがプロジェクトマネージャーの重要な役割です。ステークホルダーには、ポジティブに参加してくれる人もいれば、逆にトラブルの原因となるような思惑を抱えたステークホルダーもいます。このようなさまざまなステークホルダーをマネジメントするために基礎知識を理解し、実行に移しましょう。BizLearnのeラーニング「PMP®試験対策セット」ではステークホルダー・マネジメントを始め、PMBOK®の知識エリアに関して体系的に学べます。また、PMP®の公式研修としても受講証明書が発行されるため、PMP®受験を検討している方にもおすすめです。ぜひ受講を検討してみてください。
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